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ある男の後半生(こう反省)

レビュー

龍が如くシリーズについて考える

投稿日:2017年5月8日 更新日:

「龍が如く」という名作ゲームソフトがあります。 2005年にPlaystation2用ソフトとして第一弾が発売され、あっという間にセガの看板になったゲームです。

この作品についての面白さを語ったところで今更感がありますし、攻略法を伝授するほどやり込んだわけでもないので、それはやめます。

代わりに、僕にとってのこのシリーズの意義を語りたいと思います。

まず、このゲームはいわゆる「ヤクザ」を主題にしたストーリー内容になっています。 主人公たちキャラクターが動き回る場所も、実際の歌舞伎町を模した街中となっており、それがヤクザ絡みのストーリーと相まって非常に独特の雰囲気を出しています。

僕は今「模したもの」と書きましたが、ゲーム内のオブジェクトが現実にも存在していたり、この作品にはスポンサーが多く協賛しているため、ゲーム内の街に「店」として出場し、自らを宣伝しています。

その意味で、ゲームの舞台を「歌舞伎町」に選んだことは、企業戦略として成功したと言えるでしょうし、まさに協賛企業とウィンウィンの関係を築いたと言ってもいいでしょう。

またこの作品はヤクザを題材にしておきながら、主人公は決して人を殺しません。 これがこのゲームのメインストーリーがシリアスでありつつも、あまり血生臭さを感じさせない大きな要因となっています。

日本人というのはどうも直接的な残虐表現というのが嫌いなようで、例えば定番の時代劇「水戸黄門」でも、最後黄門様は悪代官に向かって「追って厳しい沙汰があるので待て」というだけで、それ以上の具体的な描写はありません。

厳しい沙汰が「切腹」を指すのは想像できますが、あえてそこを視聴者に見せないことで血生臭い香りがしてきません。

僕はホラーゲームが好きで、国外のホラーゲームを日本国内向けにローカライズしたものもよくやるのですが、原作の残虐表現がカットされていたりする場面によく遭遇します。

こういうのを見てくると、こういうことは民族性の違いなのかな、と感じることも確かにありますね。

あと、このゲームには「サブイベント」といわれるミニストーリーが存在していますが、そのストーリーがゲーム制作時の時代を風刺したイベントであったり、皮肉を込めたイベントであったりして非常に興味深いわけです。

今回最新作の龍が如く6ですと、YouTuberのサブイベントとスマートフォンの人工知能アプリのサブイベントなんかが、面白いだけではなくて個人的に考えさせられるところが多々ありました。

このサブイベントというのはシリーズ一作目からあり、僕はこのゲームがナンバリングを重ねるたびに、これが一種の「遺産」のようなものになっていくのではないかと考えています。

つまり現在流行しているためにサブイベントとして採用されたけれども、数年後には跡形もなく消えているかもしれない。 しかし、ソフトウェアには残るわけです。

ちょうどゲーム版の「歴史の教科書」に龍が如くシリーズはなる可能性を秘めている。 僕は大げさなことを言っているでしょうか?

さらに何と言ってもこの龍が如くシリーズは、毎回豪華な出演俳優陣で話題をさらいます。

一作目から渡哲也さんが出演されていて、僕は当時かなり驚いた記憶があります。 二作目以降も舘ひろしさん、中村獅童さん、成宮寛貴さん・・・と錚々たる顔ぶれが揃います。

これだけの豪華俳優陣を擁しながら比較的ゲームソフトの価格が安いのは、おそらくスポンサー企業の力の大きさがあるに違いありません。

この作品がこれからますますメジャーになっていけば、さらに協賛企業は増えるでしょうから、セガとしてもこの作品を利用して様々な野心的な試みをしていけるのではないでしょうか。

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