フレディVSジェイソン、エイリアンVSプレデター、一時期こんなのが流行った時期がありましたよね。
似た者同士を競合させたらどちらが強いのか? という興味がそもそもの創作動機であるのが明白ですよね。
こういう企画はいわゆる「大人の事情」と呼ばれる権利関係なんかがからんでくるので、実現させるまでがまず一苦労でしょうし、いざ実現しても作品が当たるかどうかはまた別の話になってくるわけです。
僕もこれらの作品は一応興味はあったので観させていただきましたが、残念ながらストーリーなんかはもうすっかり忘れてしまいました。(笑)
要するに僕にとってはこれらの作品はそれだけのものだったというわけですね。
ところで、今ではもうかなわないことなんですが、僕にはもう一つこの分野で観てみたいものがありました。
それは「ジャッキーチェン」VS「ブルースリー」のカンフー対決です。
ブルースリーさんはもうかなり昔に若くして亡くなっており、ジャッキーチェンさんも生きてこそいますが、もうかなりお年を召されています。
映画の質というか雰囲気もこのお二人には違いがありますね。
ブルースリーさんの作品はあまり笑いの要素がありません。 最近、彼の全作品を見直す機会がありましたが、ストーリーはシリアスです。
しかし善悪がはっきりしているので、観ていて爽快感があります。 彼は必ず「善」で倒される側は悪なので、観客は彼を全力で応援できます。
ジャッキーチェンさんの作品も基本はリーさんと似ています。 特に笑拳、龍拳なんかの初期作品はストーリーの分かりやすさ、体一つで魅せるところは共通していると思います。
ただチェンさんの方は笑いの要素が若干あって、少し悪い言い方をすれば軽い印象があります。
それに後期に入るにしたがいストーリーが凝ってきて、アクションもカンフー一本からカーアクションなんかも加えたある意味、ハリウッドテイスト的なものになっていきます。
リーさんももし生きていたら、ハリウッド的な作品を手掛けていたかもしれません。 体力的な衰えをカバーするのに別な道を探るのはやむを得ないことです。
スタローンさんが、いつまでもロッキーやランボーを撮れないのと同じことですよね。
ただリーさんはあまりにも早くに亡くなってしまったため、最盛期のイメージのまま私たちのイメージに焼き付いてしまったのは事実です。
その上、作品もリーさんは寡黙で重厚、チェンさんはコミカルで軽め、という印象のためどうしてもリーさんの方が強そうな感じがしてしまいます。
北斗の拳のケンシロウもかなりリーさんからインスパイアされている部分があることが、映画を観ていて分かりました。
今ではもうかなわぬ共演だからこそ、この二人の対決は是非観たかったですね。 一体どちらが強かったのか?
このお二人、実はプライベートでは親交があったとか。 ことリーさんに関しては、千葉真一さんや勝新さんなんかともお付き合いがあったらしいですから、余計に親しみが湧きますね。
僕は今、リーさんの全作品に続き、チェンさんの作品も見返している最中です。
やはり僕にとっては、「プロジェクトA」よりも「スパルタンX」よりも一本の「酔拳」が名作に感じます。