僕が株式投資を始めて、早いもので一年が経過しました。 一年という短い期間ではあるものの、投資経験者なら誰もが経験するであろうイベントを僕も身をもって経験することが出来ました。
しかもそのイベントの一つ一つが自身の身銭の増減に直結しながらの経験ですので、迫力が全然違います。 昔、ファイナルファンタジー11というオンラインゲームが流行った時、「FF11は遊びじゃねえんだよ。」という言葉が巷では囁かれていましたが、まさに僕もこの心境で一年間、株取引に向き合ったといえます。
もっとも、株取引を遊びにしているという人にはこれまで出会ったことはありませんが。(笑) せいぜいギャンブル感覚というくらいでしょうか。 そんなギャンブル感覚で株取引をする人達でさえ、銘柄選びの基準には何らかの根拠を持って臨んでいるはずで、丁半博打のように完全に運を天に任せているわけではないでしょう。
とにかく僕はこの一年で株取引に関する色々なことを学習することができました。 「約定」、「ナンピン買い」のような基礎的な言葉や意味から、「信用倍率」、「自社株買い」のようなちょっとカッコつけられる言葉まで。
どんな世界でもそうですが、自身が関わって初めてその世界の奥深さがわかってくるものです。 僕も株取引の何が難しいのか最初全然分かりませんでした。 なんせ極論すれば上がるか下がるかの二択でしかない世界です。 それならば下がった時に買い、上がった時に売れば勝率100%で楽勝。 そう思っていたのです。
しかし冷静になって考えてみると、株式市場という場所には途方もない人数が参加しているのです。 性別や国籍、年齢はもちろんのこと、最近は投資判断にAIが使われるという話も聞きます。 そうなると「参加人数」という表現も正しいのか?という問題が出てくるかもしれません。
ともかく、かくも多くの頭脳がここ(株式市場)という場所では、「金を稼ぐ」というたった一つのシンプルな目的のために、昼ドラの恋愛劇以上のドロドロした戦いを日夜、繰り広げているのです。
僕は、株式売買で利益を上げたり、配当金をもらったりして儲けるのは当然嬉しいのですが、日々の株価の変動から見え隠れする人間の心理に興味が尽きません。 なぜなら金銭の損得に直面した時に現れた性格が、その人間の本性に近いと僕には思えるからです。
例えば、株価というのは上がる時はゆっくりとしたスピードで上がっていきますが、下落はあっという間です。 これは、皆ヤケドをしたくないので、おそるおそるはれ物に触るように買うからです。 そして何かコトが起きた時は、アリの子を散らすようにあっという間に退散するので暴落となるのです。
起きるコトといっても様々です。 天候に大きく左右される株価もあれば、流行に影響を受ける株価もある。 しかしこれらは投資家にとっては不可抗力で仕方のないことでしょう。 そんな中、例えば不祥事で株価を落とした企業が出た場合、投資家によって行動に違いが出るでしょう。
不祥事によって暴落はまず確定しますが、問題はそこからです。 その暴落がうまいこと底値となって後日株価が戻れば、暴落時に株を購入した投資家は勝ち組になれるわけです。 しかしその不祥事が原因で倒産を起こした場合は、暴落どころか0円、ただの紙屑と化してしまいます。
つまり不祥事銘柄というのはギャンブル性を帯びているわけです。 ただその企業が独自の技術を持っていたりすると、他の企業に買収されて逆に株価が上昇したりということもあります。 人間界のヘッドハンティングに似ていますね。
このように株の世界にいますと、こんな出来事が毎日のように起こっていて僕の想像力を大きく刺激してくれます。 ピョコっと短く伸びた一本のローソク足にどれだけの泣き笑いが詰まっているんだろう?と。
ではまた来週から、利確、利確。 損切、損切。(笑)