先日、ついにAmazonプライム会員に登録しました。 最初は商品の購入がきっかけでした。 会員登録なんて頭にもなく、通常通りの購入手続きを進めていたつもりでしたが、いつの間にか会員の無料試用期間適用のボタンをクリックしていたのでした。
せっかくなので無料期間にできることを一通りやってから解約してもいいかなと思い、一通りの会員サービスを利用してみたら、もうこれが初めて携帯電話を持った時や、初めてウォッシュレットを利用した時のような不可逆性の魔力に取りつかれてしまい、もう後戻りが出来ない身体になってしまいました。(笑)
なにせ商品の送料無料サービスは基本、その上映画、音楽、書籍のいわゆる「放題」サービス、クラウドサービスの提供など、どれか一つの分野でもヘビーに利用するユーザーであれば充分ペイするのに、これらすべてが一つの会員サービスでカバーされることです。
僕にとって一番ありがたいのは映画です。 今までは宅配レンタルを利用するか、近郊の市街地まで自家用車で一時間弱かけて借りに行く必要がありましたが、そうする必要が「減った」のは大変有難いことです。
減った、と強調するのはレンタル店にしかないタイトルがあったり、Amazonビデオにあっても会員でさえ別途視聴料が発生するものがあり、しかもその視聴料よりもレンタル店の料金の方が安いケースがあったりするからです。
音楽関係は全く触れていないのでよくわかりませんが、書籍関係については映画と似た印象でした。 つまり「放題」で解放されているものと、会員であっても一定の料金が取られるものがある、ということです。
とはいっても、提供しているサービスと料金を考えるとき、これを「高い買い物」と考える人はあまりいないと思います。 僕はソニーが提供している「Playstation Plus」という月額課金制度も3年ほど利用していますが、こちらはコンテンツがゲーム関連に限定されているうえに、最近僕自身がゲームから離れているせいか、更新時期が近づくと延長するかどうか毎回少し迷います。
しかしAmazonプライムについては、サービスや価格水準に大きな変動がない限り、更新を打ち切ることは多分考えないと思います。
この月額課金制度、最近はサブスクリプションともいうらしいのですが、今後ますます勢いを増してくるのではないでしょうか。 というのも今まではDVDなり、CDなり、コミックなりは購入(あるいはレンタル)することによってのみ、コンテンツを入手することができました。
とはいっても収集や転売目的でない限り、購入者にとってはコンテンツ自体が欲しいのであって、「物」が欲しいわけではないでしょう。 しかもこれは僕自身の経験則からの感想ですが、せっかく購入したそれらの物も相当気に入った物でなければ、そう何回も繰り返し読んだり、聴いたり、観たりしません。 時間と共に少しづつ蓄積していき、棚の肥やしになっていきます。
その意味で近年のサブスク化という流れは、この旧来の消費行動に一石を投じる、つまり「使用するために所有する」から「皆で共有して使用しあう」へと世の中を変えてきています。 カーシェアリングもその一例でしょう。
また世の中には「ミニマリスト」という、物を必要最低限しか持たないという主義の人たちが存在していますが、彼らにとっては世のサブスク化というのはまさに彼らの要求に合致するものに違いありません。 僕自身はミニマリストというほど過激な人間ではないですが、「断捨離スト」(笑)くらいではないかという自負はあります。
その僕が世のサブスク化の3大メリットを挙げるとすれば、「無くさず、壊さず、(場所を)占有せず」でしょうか。
映画、音楽、本などはコンテンツだけが提供、消費され、家族の写真、ムービーなどはクラウドにどんどんアップロードしていく。
昭和生まれの僕にとってはビデオもレコードも文庫本も本棚に並べ、アルバムに入れた写真は年月とともにセピア色に染まっていくのが風情があって好きですが、時代は移り行くもの。
50年後の人たちから見たら、現在やっているこの方法が風情があってノスタルジックに見えるのかも知れませんね。