ヒゲおやじ

ある男の後半生(こう反省)

闘病記

肉体的劣化と人間の精神

投稿日:2021年2月20日 更新日:

先月末、僕は心筋梗塞で一週間ほど最寄りの総合病院に入院しました。 幸い症状も軽く、病院へも自覚症状が顕れてすぐに行ったものですから、大事には至らず、後遺症もなく退院することができました。

僕は六年前にも脳出血で入院するという経験をしており、この時はリハビリのため一回転院しましたが、約三カ月入院しました。 脳の時はさすがに後遺症ゼロというわけにはいかず、現在ほぼ寛解していますが左半身麻痺と今でも薬で発症を抑えているてんかん発作がありました。

ここで考えるのは自身の体の老化のことです。 考えてみれば、僕はもうすでに50年生きているのです。 なんとか明治、大正時代の平均年齢はクリアしたようです。(笑)

しかし実際にこの年齢に達してみて気付いたことがあります。 それは体は老いても、人間の精神的ピークは25歳くらいからあまり変化はしないのではないのかということです。

まず性格の大幹と言えるベースの部分。 これは遺伝や長年の生まれ育った家庭環境に大きく依存するため、すぐに変えることが大変難しい領域だと個人的に考えます。 いわゆる無口だとか人懐っこい、優しいといった部類のものですが、普通の人はたいていこの領域に手を付けません。

ここを変えようとするときは、よほど個人的になにかそうする必要性に迫られたか、または彼の生まれ持ったベースの性格が災いして、大きなトラブルやショックを巻き起こした場合に限られるでしょう。

あと一つは、他人との付き合いや摩擦の中で体得する処世術といえる枝葉の部分。 これは例えば「約束を守る」という社会的ルールを例にとります。

何事につけルーズである、というベースの性格を持った一人の人間がいたとします。 ベースがルーズであるので人と約束をしてもそれが破られることが多々起こるのですが、その状態が継続することで彼に不利益が出てきます。 警告→叱責→無視、といったルートが予想できます。

こうしたことを防ぐために、枝葉にあたる部分は社会生活の中で揉まれながら矯正されていくのが普通です。

しかもこのような「是正すべき枝葉の部分の性格」は、一見ベースがどんなに素晴らしい性格でも必ず付いてくるのです。 例えばベースが「優しく」ても、それは優柔不断という枝葉の原因かも知れません。 ベースが明るいのは一見いいことですが、わがままだったらいやですよね?

逆に最初に挙げたルーズというベースも、約束は破るかもしれないが、決断は早いかも知れません。 つまるところベースがどうであれ、そこから生まれる枝葉の性格には一長一短があるのです。

そして僕が先に述べた精神25歳ピーク説(?)、これはつまり学生、社会生活数年でこれらの枝葉の性格の形成がほとんど行われてしまい、それから先は世渡りの駆け引きが主体になっていく。 なので人間は20代半ばから精神的にあまり進化していないように感じるのかなあ? というのが僕の持論です。

道端で出くわすノロノロ老人も、恐らく精神的には20代、30代と大差はないはずです。 むしろ長くいろんな人を見てきているだけに、したたかだと思います。 ただ肉体的にあちこち劣化しているので、若い頃みたいに動けないだけなのです。

うちの母親もたまに若いタレントの名前を話題にしたりもしますからね、もう歳なのに(笑)。

-闘病記

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