先日、ひょんなことからウルトラセブンが観たくなり、近場のゲオでDVDをレンタルしてきました。 僕が子供の頃は、良くテレビでウルトラシリーズは再放送していたのですが、最近はあまりやらなくなりました。
その代わり現在はレンタルDVDが充実して、観たいと思いついたものはすぐに廉価でゲオなどで借りて観れてしまいます。 しかもなぜか不思議なことにどこもかしこもインフレ化が激しく進行している昨今、この世界だけは価格破壊が進行していて、クーポンなどをうまく利用すればDVD一枚80円とか消費者が思わず生産者の懐を心配してしまうレベルなのです。
おっと、今日は別に経済学的な話ではなく、久しぶりに観たウルトラセブンの話なのです。 僕は今年53歳になりますが、どういうわけかウルトラセブンが面白いのです。 下手すると子供の頃よりも楽しんでいるかもしれない、俺の精神やばいのか? と感じてしまうほどです。
しかし今一度思い返してみると、インベーダーやパックマンのような「単調」なテレビゲームには興味をなくしている、コロコロコミックのマンガみたいな、いかにも子供向けな物にも頭をもたげない。 最近の20代の若い女性たちは、ちゃんと皆同じに見えるようになってきた。(笑)
ということは年相応の進化(退化?)は順調にしてきている。 であるならば自身の精神が子供なのではなく、作品のほうが実は大人向きに作られているのではあるまいか、と解釈すると物凄く腑に落ちるのです。
今子供時代にウルトラシリーズを観ていた記憶を振り返ると、見事なほどにウルトラマンやウルトラセブンが怪獣と戦い、撃破し、空に飛び立っていく記憶しか残っていないのです。 つまるところ子供にとっては怪獣とのファイトシーンが最高にエキサイトするところであって、ヒーロー変身前の前置き部分は適当に流したりすることが多いのではと思うのです。(人によるか・・・)
しかし大人になる過程で曲がりなりにも様々な映画や小説などの芸術作品に接して、まして感動なんか体験してしまうと今度は幼少時代には理解できなかったその「退屈な前置き部分」を深くまで理解できるようになっていて、今回の僕のように脚本の出来の素晴らしさに驚嘆する、ということになるわけです。
事実、今回の久しぶりのウルトラセブンの鑑賞においては、セブン登場までの緻密なストーリー展開にはみるみるうちに引き込まれましたが、セブンと怪獣との戦いには子供時代の懐かしさ以上のものはこみあげてきませんでした。 これについては主役の森次浩司さんが「スタッフの誰一人として子供向き番組と思って作っている者など居なかった。」とインタビューで言っていたのを覚えていますが、大きく頷ける話です。
DVDは全部で12枚あるらしいのですが、僕はまだ2枚観ただけです。 それでここまで感銘を受けたのだから、残りも時間を見つけて制覇していこうと思います。
僕的な結論としては「ウルトラセブン」は全然子供向きの番組ではありません。 怪獣との戦闘シーンが「子供にもウケる」だけであって、ストーリーは緻密で繊細で、回によっては考えさせられるテーマであったりしますが、超一級のSFサスペンスで間違いないと思います。
その森次浩司さん、我が北海道出身らしいです。 なんか誇らしいですね。