僕は株式を売買し、利益や損失が出ると必ず翌日早々に証券口座にログインし、前日の取引の詳細についてチェックをします。 もちろん日々何千万件もの約定案件の計算をこなしている大手証券会社のことですからそれがいかに正確無比で万全を期しているものなのかは容易に想像がつきます。
口座開設してすでに6~7年ほど経ち、株式売買もそろそろ数えるのも面倒なくらいの取引量になってきましたが、ついこの間までは、よくもこれだけ毎日膨大な数の計算をこなしておきながら一桁の間違いすら起きないことに、「さすが○○証券、盤石だなあ。」と感嘆しきりでした。
ところが先日、ある出来事が発生し、僕を非常に狼狽させたのです。 これは再び同様の事象が発生した際に慌てないために自身のために残す備忘録であると同時に、もしかしたら全く同じケースで困っておられる人もいるかもと思い、書かせていただくものです。
僕の利用している証券会社には二種類の取引明細があります。 片方は一か月分の取引の一覧であり、もう一方は個別の明細となりますが、双方を比較しても当然内容に矛盾はなく数字的にも全く疑わしいところはありません。 どんな銘柄であっても必ず上の例のように誰が見ても納得できる記載がなされます。
ところが僕が「?」となったのはこの取引です。 下のリンクを踏んでも出てくるのは上の損切りとなったものだけで、僕の記憶でもこの日、取引したのはこの銘柄以外ありません。 にもかかわらず双方の記載内容に整合性がなく、非常に戸惑ったわけです。
基本誰でもそうだと思いますが、僕も損するのは嫌いなので早速メールにて問い合わせました。 以下にそのメールを記載いたします。(原文のまま。 証券会社名、銘柄名、コード番号などは伏せます。)
僕からの問い合わせメッセージ⇛「譲渡損益についてお尋ねします。 月別の一覧画面と個別銘柄画面を開いた時で、取得単価、収入額、実現損益額などの表記が異なっております。 それも誤差とかいうレベルではなく、まるで別銘柄のようにです。 単に一時的なシステム上の問題で、後日修正されるのでしょうか?」
以下、証券会社からの返答⇛
平素より○○証券をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。
「特定口座損益(譲渡益税)」画面の譲渡日2024年6月25日の
表示についてのお問合せと判断し、ご案内申し上げます。
6月25日を受渡日として、××銘柄(0000)の
「資本剰余金を原資とする配当」が支払われました。
「資本剰余金を原資とする配当」は、税務上、株主が保有する株式の
一部を譲渡したものとみなされます(「みなし譲渡」と呼ぶ)。
みなし譲渡による利益は、譲渡所得として扱われます。
みなし譲渡損益についても、配当金の受取方法で
「証券口座でのお受取り(株式数比例配分方式)」を選択されておりますと、
特定口座内で損益通算されます。
みなし譲渡損益は、WEBログイン後「特定口座損益(譲渡益税)」画面の
「特定口座損益履歴」にも反映いたします。 以上
つまり、僕が損切りをした日と同日に、僕の所有する別銘柄の「資本剰余金を原資とする配当」の支払いが重なり、それが譲渡損益欄(下段)にのみ反映されていたため、僕が盛大な勘違いをした、ということらしいです。
調べると「資本剰余金を原資とする配当」というのはあまり頻繁に行われる配当方式ではないし、証券会社側にとってもこれのためにわざわざ一覧表に改変を加えるよりも、コストを考えるなら問い合わせに都度答えるほうがペイすると考えたのかもしれません。 確かにユーザーも仕組みが分かれば二度は聞きませんし。
ともかく今回、ちょっとドキッとしたなというお話でした。