ヒゲおやじ

ある男の後半生(こう反省)

人生論

貯まるのは生まれながらの性癖

投稿日:2025年1月18日 更新日:

今年、2025年は我々日本人にとっては試練の年、と言われています。 とはいっても一部で都市伝説のように言われている7月滅亡説の方ではなく、これまで日本経済を支えてきた団塊世代が大量に年金受給者側に回ってしまうという意味での経済的な試練です。

人間というものは犬や猫、そのほかの動物と違い唯一、その日一日生きればその分死に近づく、ということを自覚しながら生きていける生物です。 思えば人間だけが様々な芸術作品というものをこの世に残そうと考えるのが、まさにその証拠ではないでしょうか。

実生活の上でも人類は年金や保険、貯金、介助といった自助、互助システムを構築しています。 これらは人間が加齢とともにいずれ身体が不自由になり、やがてこの世を去るという避けられない宿命に対応するために生み出された知恵なのです。

今回はこの人間の生み出したシステムの一つである「貯金」というものについてスポットを当ててみたいのです。

詳しく調査したわけではなく自身の完全なイメージですが、大多数の人は自身の収入の範囲内でそこそこに生活を楽しみつつも、万が一の出来事や老後のために少額づつ貯えをしていっているのではと思います。

中には完全に片方に針が振り切れてしまっている人、例えば毎日白米とみそ汁だけだが、貯金額がすさまじい守銭奴タイプ、自分のこだわりにはふんだんにお金を使うがそのほかは質素というオタクタイプ、ギャンブルや飲食に散財しまくる浪費家タイプなんかがいますが、絶対数としてはそこまで多くはない気がします。

さて、老後2000万円問題というものが取りざたされてしばらく経ちました。 先にも書いた通り、人間は他の動物と違いその場の衝動だけで生きているわけではなく、将来のこともある程度は見ることができます。

その時にどう考えてもお金はあった方がいいわけです。 仕事をやめれば収入はなくなり、基本的に年金頼りになるわけですから、貯金を切り崩すということになります。

しかしここでも守銭奴タイプだけは年金だけで乗り切ってしまう可能性があります。 彼らは金銭の目減りを自分の死よりもつらく感じる種族なので、通帳の額を減らすよりも、1食減らす道を選択し、しかも次回の食事で空腹感が満たせたならばそこに至上の達成感を見出すはずです。

そうはいってもこんな人は稀有であって、大抵は収入がなければ資産は減少していきますから、貯金は必要ということになるわけですね。

ところがこの『お金を貯める』という行為、昔からよくこのための秘訣の書籍が出されたり、メディアで特集が組まれたりします。 そのたびにその道で成功したらしい人が滔々と自身の矜持を披露しますが、こうしたものの効用が果たしてあるのか、僕には甚だ疑問なのです。

僕はどちらかといえば、蓄財に関しては本人の生来備わった性質に一番左右されるのではと思っています。 例えば僕は昔から電車に乗るときはドアに一番近い角の席に座ろうとします。 ご飯を食べる時もみそ汁を一口すすってから他のものに手を付けますし、風呂に入れば必ず左足から洗います。

こんな感じで貯金に関しても、頑張って貯めるというよりも、いつの間にか貯まる行動をしているというのが正直なところでして、自分では貯めること自体には何のストレスも感じておらず、むしろこんな性質に生んでくれた両親に感謝しております。

ゆえに浪費癖をもって生まれてきてしまった人の一念発起してお金を貯めようとする苦難に思いをはせる時、多大な同情を禁じ得ません。

自分の場合、表現が難しいのですがお金が100万円単位の金額で一個の金塊に変化するようなイメージで、一回出来上がってしまった金塊はもう二度と崩せなくなってしまう感じです。 生理的にこの感覚が身についてしまっているために、僕は病死や事故死はあっても餓死だけはしない自信があります。

これから先、もらえる年金も先細ると言われ、現在老後2000万円必要らしいですが、インフレは絶賛進行中。 そんな中、政府はもう個人レベルで自助してくれと言わんばかりにNISAやiDeCoを推奨してきています。

僕が一番ほっとしていることは血筋的に浪費の家系ではないことです。 祖父も父もある程度の資産を親族には残しましたし、飲む打つ買うの三拍子で身を持ち崩したわけでもないことはある程度、自身の将来の楽観も許されるのかなと感じました。

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