ヒゲおやじ

ある男の後半生(こう反省)

趣味

トロフィー(実績)システムの功罪

投稿日:2017年5月10日 更新日:

何年前からでしょうか? ゲームにトロフィーという概念が導入されたのは。

僕がゲームをやりはじめた小学校低学年の頃なんて、もちろんトロフィーなんてありません。

あるのは「ハイスコア」と呼ばれる点数のみで、だいたいその日限りで終わりでした。

家庭用ゲーム機ならば電源を切るまで、アーケードゲームなら閉店時間まで有効のはかないもの。

僕が中高生の頃くらいから、店によってハイスコアを掲示するようになり始めました。商業的にはうまいやり方だと思います。

競争心を煽って、お金をいっぱい落としていただく。 しかし、ゲームによっては1コインで長時間粘られてしまうケースもあり、ここは判断が分かれると思います。

しかし、「ドラクエ」や「FF」の出現がゲームの世界を変えてしまいました。 「ハイスコア」というものにあまり価値が見出されなくなったのです。

それまで一世を風靡していた「パックマン」や「ぜビウス」とは全く違う風が吹き始めました。

つまりゲームに映画のようなストーリー性、演出効果、感動的なエンディング等が求められ始めたわけですね。

数字は「スコア」ではなく「経験値」を表すようになりました。 まさにJRPG黄金期ですね。

しばらくJRPGフィーバーは続き、やがてアクション回帰ともいうべき時期が来ました。 厳密にアクションかと言われれば微妙ですが、バイオハザードやサイレントヒルですね。

しかし、一旦ゲームに映画のようなクオリティを求めてしまった消費者は、もう単純にスコアリングをするだけのゲームを欲してはいません。

アクションゲームにさえ、高い演出効果を求めてきます。 その結果が「メタルギアソリッド」であり、「アンチャーテッド」ではないのでしょうか。

ここで人間には変わらない一つの承認欲求があります。 人よりも優れていたい。 それはゲームでも同じです。

昔はそれを「ハイスコア」という、具体的な数字で証明出来ました。 しかし「スコア」というものに存在意義がなくなってしまった今、それを証明するものが必要になってきます。

僕はそれが「トロフィー」なのではないかと思っています。 今はインターネットで仲間同士トロフィーの比較もできるので、自分の承認欲求を満たそうとする人達でいっぱいです。

ゲーム会社としても、それが売り上げUPにつながるのですから、歓迎すべきことに違いありません。

ただ個人的に、トロフィー集めは確かに楽しいですが、あまりゲーム自体を楽しめなくなったと感じてしまう瞬間もあります。

特にあと一個でコンプリートできる時なんか、本当はそのゲームは飽きているのに無理にプレイしている場合は、そう感じます。

そんな時は「いっそトロフィーなんてなければ・・・。」って思えてきます。 こんなのは自分の気持ち100%ですから、気にしなければ良いだけなんですけれどね。

まあ、こういうものは距離を置いてほどほどに付き合っていくのが正しいことなのかもしれません。

-趣味

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

株式投資4年目に

僕の株式投資歴が4年目に突入しました。 最初は「プラチナ積み立て」を始めるために楽天に証券口座を開設したものの、いつの間にか株式投資がメインになってしまい、当のプラチナ取引はおまけみたいな存在になり果 …

実は偉大だった。「2001年宇宙の旅」

意味が分かると途端に評価が一変するものがあります。 そしてその原因は往々にして自分自身の無知であることがよくあるのです。 「2001年宇宙の旅」というスタンリー・キューブリックの名作映画があります。  …

10年ぶりにPC新調。10年後、再び同タイトルで執筆予定(笑)

実に10年ぶりにPCを買い替えました。 今まで使ってきたPCがだんだんとスペックが古くなってきて、実用に耐えるものではなくなってきたためです。 炊飯器や洗濯機のようないわゆる白物家電なら、いくら時代が …

ナイトライダーのような世界を夢想する

先日、ちょっとした思い付きからCopilot(Chat-GTP)とじっくり会話(?)してみました。 しばらく利用していない間にずいぶんと人間臭くなられたようで、どのような調べ物を依頼しても「分かりまし …

鉄道とドミノ倒しが好き

僕の住む地域にはついこの間まで鉄道が運行されていました。 しかし残念なことに2015年に高波が太平洋沿岸に敷設されていた本鉄道の線路や陸橋を破壊してしまいました。 僕自身、主に高校通学にお世話になった …

最近のコメント