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ウルトラの原点 Q

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ウルトラセブンのDVDをいくつか鑑賞したあと、ふと原点回帰というか現在の状態ならば、ウルトラの出発点ともいえる「ウルトラQ」を深く理解し楽しめるのではないかと思い立ち、宅配レンタルサービスにて全巻BOXを借りてみました。

僕が子供の頃、ウルトラシリーズは良く地上波で再放送されていましたが、「ウルトラマン」や「帰ってきたウルトラマン」に圧倒的に比率が偏っていて、「ウルトラQ」についてはほとんど観た記憶がありません。

これは僕の想像でしかないのですが恐らくモノクロ作品であり、またウルトラシリーズ中、唯一ヒーローが登場しないため子供にはウケないのではないかとテレビ局側が判断したのではないのでしょうか。

やはり子供は派手な戦いというものに興奮するものですし、正直それがない「ウルトラQ」は僕も子供の頃途中で飽きてしまってテレビを切ったこともありました。

しかし今やこちらも50歳を過ぎた年齢。 当時よりは色々映画や小説などにも親しんで、また曲がりなりにも人生の機微にも多少は通じるようにはなってきている。 今ならば子供時代よりも作り手の真意を汲めるのではと踏んだわけです。

ズバリ、僕が今回「ウルトラQ」全巻を通して得た印象は、突如何かのバランス、特に何らかの生物の大きさが突然変異し、それに対する人類の反応と対処の記録というものです。 「五郎とゴロー」でも「マンモスフラワー」でもある特定の生物が突如巨大化しますが、別に人類に対して敵意はありません。

一方、他のウルトラシリーズの怪獣や星人などは多少の例外はありますが、基本的に地球人に対して敵意をもって攻撃を仕掛けてきます。 だからこそそれの排除のためにウルトラ警備隊があり、ウルトラマンなどのヒーローの存在が必要になってきます。 ウルトラセブンの「ノンマルトの使者」に少々後味の悪さを覚えるのはそのルールを逸脱しているからかも知れません。

そして基本的に「ウルトラQ」では巨大生物側で人類を敵視していることはあまりないが、むしろ人類側が勝手に恐れて攻撃してしまうという印象を多く受けます。

また「ウルトラQ」では上のようなサイズのアンバランスさがもたらす災厄がテーマになっているものが最も多く、その他に206便消滅す、あけてくれなどの異世界もの、悪魔っ子みたいなオカルトものなど実に多彩なストーリーが揃っています。

そういえばウルトラQといえばカネゴンがすぐに思い浮かぶという人も多いと思います。 僕が今回シリーズ全部を通して観た感想なのですが、あれはシリアスな内容が多い中で数少ない癒され回という印象を受けました。

主人公の守銭奴の小学生がある日カネゴンになってしまう。 胸にはカウンターが付いていてお金を食べ続けないとそれが減っていってゼロになると死んでしまう。 周りの友人たちが少ない自分たちの小遣いを食べさせてあげたりするが、すぐに底をつき街の祈祷師に助けを求める。

結局主人公は元に戻るが、一夜明けると今度は両親がカネゴンになっていた、チャンチャンというコミカルでわかりやすいストーリー。

特に深遠さもない話ですが、友人たちが主人公を助けようと一生懸命になるところはやはり子供たちの共感を呼ぶのでしょう。 カネゴンにお金をあげてカウンターの数値を戻すところなんかは、ウルトラマンの赤のカラータイマーのような興奮さえ覚えます。

ああ子供たちは多分こういう話を面白がるんだろうなあと感じつつ、酒を飲みながら最終話に魅入っている自分を少し寂しくも思います。 しかし「ウルトラQ」もまた「ウルトラセブン」に劣らず充分大人向け作品でありました。

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