僕の母親は今年76歳を迎えます。 僕が子供の頃はとてもアグレッシブで勢いもそれなりにあったのですが、やはり年月の経過というものは残酷にそして正直に身体に現れてきます。 今では歩行には杖を使い、腎臓も弱ってしまって透析を受けているという現状です。
とは言いつつも特に要介護といった状態ではなく、頭脳はしっかりしており、家の中での行動などは問題なくこなせます。
その母親が先日、運転免許の返納をしたいと言ってきました。 僕の住んでいる地域はいわゆる田舎でして、どこへ行くのも自家用車は必要不可欠です。 母は50歳の時に免許を取り、約25年間運転してきました。 ゴールド免許取得者で違反もシートベルト一回だけというなかなかの優秀ドライバーでした。
しかしやはり体の自由が利かなくなり、また透析を受けているのもあるのか現在手元に届いている更新の案内を僕に見せ、「もう更新はしない」と言ってきたのです。
今回の母親の決断をみて、僕は改めて自分の母親は状況を冷静に判断できる人なんだなと感心しました。 僕の勝手なイメージなのですが、こういうケースでは親側は自分の健康を疑わずに免許の継続に固執し、周りの子供や配偶者がそれを必死で止めるという感じがしませんか?
それはこの免許の一件にとどまりません。 自分の足がどんどん悪くなり、腎不全を発症し透析を受けることになっても母は別段取り乱すこともなく、現実をすんなりと受け入れていくのです。 本当に「仕方ないじゃないか」みたいな感じなんです。
母は中卒で学歴は決していいものではなかったかも知れませんが、人生のレベルは決して低いものではなかったと思っています。
その母が免許の返納を言い出したのですから僕は考えました。 最後の免許の返納ぐらいは札幌の運転免許試験場でさせるのはどうかと。 25年前のそこで免許をもらったのだから、そこで終われば本当の「返納」になるのではと思ったのです。
それを母に提案したら喜んで行くというので今、日程などを調整しているところです。
ここでまた少しタイミングが実に良すぎるというか自分的にもしかしたら神様は実在するのかもと思えることがありました。 母と行く運転免許試験場の近くには、定山渓という著名な温泉地がありまして、どうせ行くならそこのくつろげる温泉にでも一泊してから行きたいなと思っておりました。
2ヶ月ほど前に母に免許返納のことを言われてから、このプランがずっと頭をかすめていたのですが、ほんの3~4日前に株の売買でその宿泊代に充当できるくらいの額を得ることができたのです。
自分がキャバクラ行きたい、プレステ欲しいから株上がれ(笑)と願ってもさっぱりなのに、今回は(まあ完全に偶然でしょうが)まるで応援するかのように上がってくれた。 一応神様のご厚意としておきます。 バチは当たりますまい。