ヒゲおやじ

ある男の後半生(こう反省)

趣味

ハマりかけのRadio

投稿日:2017年4月5日 更新日:

僕はどちらかというとインドア派の人間でした。今でもそうですが。

ただそれでも子供の頃は虫取りであるとか、鬼ごっことか、花火とか、子供なら誰でも受ける洗礼は受けています。

僕が子供の頃はインターネットなんてなかったですし、辺鄙な田舎町ですから、遊びなんてそのくらいしかありません。

木の幹にへばりついているクワガタが自分の手に落ちるあの瞬間、かくれんぼで鬼が自分を見つける直前のあのハラハラ感、川の水で冷やしたジュースのおいしいこと。

あの感覚はまた生まれ変わらない限り、蘇らないでしょう。

音楽は相変わらず好きで良く聴いてはいたのですが、中学卒業までは普通の子供時代を過ごします。

たった一つだけ、BCLという趣味を除き。

BCLというのはBroadcasting Listeningの略。つまりラジオ放送を聞き、受信報告書というのを作成します。

それを受信した放送局に郵送し、放送局に「うん、この人は間違いなくうちの局の放送を受信している。」というのが認められれば、べリカードというのがもらえるんです。

このべリカードが各局が趣向を凝らしているために、BCLマニアの収集癖をくすぐるわけです。

僕がなぜこんな趣味にハマったのかはもう覚えていませんが、実はこれ、ものすごく奥が深いんです。

最初のうちは単純にべリカードの収集が目的でしたが、続けていくうちに他の目的にも目覚めていきます。

AMラジオを良くお聴きの方はご存知だと思いますが、夜になると電波が遠くまで届きます。そのため夕方を過ぎると、県外や海外の放送も受信し始めます。

なので、自分のラジオでいかに遠くの放送局を受信できるか、ということに挑戦し始めます。

それが受信困難な放送局であるほど、意欲は掻き立てられます。

例えば僕は北海道在住ですが、同じ周波数で放送している2つの放送局があったとします。

一方は出力100kwで東京にある放送局、もう一方は出力5kwで沖縄にあるとします。北海道に住んでいると、普段は東京の放送局しか聞けませんよね?

ところが、当時ラジオには週に一回点検のため、放送休止時間というのがありました。たいてい日曜深夜から月曜未明です。(今は分かりません。)

ところがこまかい放送休止時間は各局まちまちで・・・・、ということはつまり!!!

そうです!東京が先に休止時間に入れば、少しだけ沖縄が聞けるのです!

僕はこの手のスリルがたまらなく大好きでした。しかも受信報告書を書けば沖縄のべリカードがもらえる!

今、これを読んでおられる方にどれほどBCLファンがおられるかは分かりませんが、BCLにハマった方なら「わかる、わかるぞー」とという気持ちだと思います。

そして、全ての放送局が休止されると、ラジオからは怪しげなハングルが聞こえ始めます。

朝5時の放送再開まで、恐怖のコリアンタイムの始まりです。同時に僕の新たな旅路のスタートでもありました。(つづく)

-趣味

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

film, cinematography, director's chair, clapboard, cinema, isolated, movie, clapper board, entertainment, director, hollywood, clapper-board, action, clapperboard, cinematography, cinematography, clapboard, clapboard, cinema, cinema, director, director, director, director, director, clapperboard

映画監督のカメオ出演

戻るメッセージが送信されました 名前(必須) 警告 メール(必須) 警告 サイト 警告 メッセージ 警告 警告。 送信 Δ 僕→ヒッチコック監督やシャマラン監督はカメオ出演する監督として有名 …

「素晴らしき哉、人生」に感動

音楽にしろ映画にしろ、人間の興味の数だけ、それも様々な趣向を凝らして無数に創られてきています。 もちろんこれ以外にも文学、アニメ、絵画、料理、ゲームなんかも皆文化と呼ばれていて、人間の精神生活を豊かに …

雰囲気ゲーという新ジャンル

近年、ゲーム機の性能が飛躍的に向上してきました。 特にグラフィック、サウンド面において飛躍的な進歩を見せ、いわゆる「派手な演出」ということが可能になりました。 僕の少年期はファミリーコンピュータやセガ …

パラレルワールドのビートルズ

僕はビートルズの音楽が大好きです。 いわゆる世代ではないのですが、本当に価値あるものには常に支持する勢力が存在し続けるということで、彼らはもはやロックのクラシックみたいなものになってしまったと言っても …

芸術作品と商業主義

世の中には様々な分野に「不朽の名作」なるものが存在しています。 不朽、というからには当然それらの作品群は世に放たれてからそれ相応の期間が経過しており、それでいて現在でも人々に愛されているわけですから、 …

最近のコメント