ヒゲおやじ

ある男の後半生(こう反省)

人生論

昭和の鉄オタの追憶

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僕は昔から鉄道マニアでした。 1970年生まれの僕の時代はJRではなく「国鉄」と呼ばれていた時代でした。

僕の居住地は北海道であり、少子高齢化の進んだ現在ではすっかり鉄道の廃線も進んでしまい、鉄オタとしては寂しい限りなのですが、当時は人間の数も多く、活気がありました。

また当時は「国鉄」という名前が示すように国家が税金で運営しており、利益を上げるという目的よりは国民の利便性に寄与する、ということに主眼が置かれていました。 そのためか気持ち、職員の中には上から目線の「おかみ風」を吹かせてくるような人も散見されました。

しかし我々鉄オタにとっては「良い意味で採算度外視」であってくれたために、鉄道網が現在とは比較にならないくらいの密度で張り巡らされていたわけです。

いや、採算度外視とはいっても、昔は活気がありましたから、赤字ではあったかもしれませんが、現在ほど深刻ではなかったはずです。

僕の幼少の頃には普通に存在していたのに現在ではなくなってしまったもの・・・・・・。 青函連絡船、駅の発車ベル(メロディーではなく)、硬券の切符とそれを切るはさみと駅員さん、そして夜行列車。

JRは民間企業であり、利潤を上げなければなりません。 また様々なインフラも既存のものが老朽化していく一方で、より便利で人手の不要なものが出現すれば、企業としては当然それらを導入するでしょう。

ただ我々鉄オタにとって、それは風情という名の古き良き時代を捨てる、ということを意味しています。 寂しいですね。

特に夜行列車、いわゆる寝台列車といわれるものはノスタルジーの最高峰と言っても過言ではないでしょう。 飛行機で2時間弱の距離を日を跨いでゆっくりと車両に揺られて行く。

早さという点ではJRは航空機には太刀打ちできません。 ですのでどうしても他の付加価値で勝負せざるを得ません。 カシオペアやトワイライトエクスプレスなどもホテル並みのクオリティを提供することでなかなか健闘しましたが、新幹線の開業で役目を終えてしまったようです。

ただ、時代の流れとはいえ、またJRも企業である以上利潤を上げる必要があるのも承知の上であえて言いたいのですが、やはり夜行列車は貴重な日本文化なのではないでしょうか? 特に我々鉄オタにとっては。

夜行列車もなくなり、最近は路線もドンドン縮小されています。 少子高齢化はこれからも進むので、鉄オタにとっての未来は決して明るいものではないでしょう。

廃線になった線路と駅舎を見るたびに、もう二度と此処には列車は来ないのかと寂しい思いになります。 そしてもったいない、これって何かに使えないのかな? と考えます。

そしてある時、ふと思いつきました。 廃線になった駅舎とホームを利用して、「寝台列車ホテル」なるものができないかと。

つまり、ホームに車両を置き、お客さんに一夜の宿を提供するというものです。 チェックインは硬券切符による改札形式。 夕食と朝食はもちろん駅弁スタイルにて提供されます。

そして一番の見せ所が夜の就寝時。 お客さんが事前に好みの路線をホテル側に伝えておけば、就寝中、ずっと車両全体に走行音と映像が流れ続ける。

そして翌日、希望のお客さんにはチェックアウト時に、車内放送形式にてアナウンスでお知らせする。

いかがでしょうか? 鉄オタの僕は、採算度外視でよくこんな妄想を抱いてしまいます。 しかし、似たようなことを考えたことのある人は潜在的に結構いるのでは? と実は思っています。

お金をいっぱい持っている鉄オタの方、是非お待ちしております。(笑)

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